「手 第1章」を未読の方は >>

8月に帰省してから1か月半。山は秋色に染まり、晩秋の風は、すでに冬の冷たさを内包している。
僕は黄金色の稲田の上を乾いた風が渡る中、ゆっくりと愛用のスカイブルーのロードレーサーを走らせていた。
ロードレーサーを走らせるのは久しぶりだった。ぐっとペダルを踏み込むたびに、太ももがギュッと引き締まる感覚が心地よい。
顔を上げて、光の粒が見えるような鮮烈な秋の光を楽しみながら走りたいところだが、視線を道路の地平より上には上げられない。
目指している方向には、田口が転落したあの山がある。

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夏の間、強い日差しに照らされた道は、毎夜の夢の中の白く輝く道と重なり、僕は外に出ることができなかった。
8月に帰省してから、あの夢を繰り返し繰り返し見る。眠りは浅くなり、食欲もない。買い物に出る気にもなれなくて、借りている住居の大家さんが持ってきてくれる野菜やお惣菜で食いつないでいた。
田口の転落事故の後は、痩せた僕を心配しながら、時々、控えめにそっと、夕飯を食べに来いと誘ってくれる。

僕は、山好きが高じて、5年前に東京から移住して以来、農家の離れ家を借りていた。
仕事はWebサイトやアプリのデザイン制作とプログラミングが主で、カタチとしてはフリーに転じたとはいうものの、東京で勤めていた会社から半分社員のような感じで仕事を請け負っていて、他の仕事も東京時代の伝手で、特に積極的に営業活動をする必要もなく、部屋に引きこもっていても仕事をすることができた。
この1週間ほどはかなりタイトなスケジュールのシステム改変の案件がいくつか重なり、さすがに疲れがたまり、短い眠りの中であの夢を見なくて済むのがありがたかった。

夜明け前、かなりタイトなスケジュールのシステム改変の案件を無事納品して、さすがに新鮮な空気を吸い込みたくなり、外に出た。
わずかに明るさを感じる瑠璃紺るりこんの空。遠い山並みと広がる田畑は黒々とした陰の塊のまま。ぽつりぽつりと灯る小さな街灯の光は、蛍の光よりも頼りなく見える。
静まりかえった陰の風景を眺めているうちに、あの黒曜石の門が遠くに見えてくるような気がして、ブルッと身体を震わせた。
部屋に戻ろうと、意識的に見ないようにしていた田口が転落した山の方角に、すっと視線を流した時、やけに低い場所にずいぶんと明るく輝く星が見えた。振り返って、しっかり見直すと、星ではなくて、田畑の向こうにある低山の山頂に近いところにある家の灯りのようだった。少し赤みがかかった暖かさを感じるような灯りだ。
その山を越えたところに温泉があり、何度か峠を越したことがあるのだが、あんなところに家があっただろうか。
何度も眺めた夜景だが、その灯火を今までに見たことはなかった。
なぜそんなにあの灯火が気になるんだろうと、自分でも首をかしげつつ、部屋に戻った。 canadian prescription free cialis

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部屋に戻ってから一寝入ひとねいりしただけのつもりが、起きたらすでに昼近かった。
外に出て、昨日灯りを見た低山を眺める。よく見るとわずかに赤みがかった色の屋根の一部が樹々の中に埋もれている。
温泉通いの峠道よりも少し南に寄っているようだ。脇道を入るのだろう。

「今、おはようかねー」
大家のおじさんが日焼けした黒い顔をクシャッとさせながら笑っている。
「はは、おはようございます。っていうか、もうこんにちはですね。」
「採ってきたプルーン持ってって。ほら、大きいの選んだらいいから。」
渡されたビニール袋に、水色の集荷用のカゴにはいったプルーンを入れながら、ふと、尋ねてみた。
「あの山の峠付近に家なんてありましたっけ?今朝、夜明け前に灯りが見えたんだけど、峠道に家なんてなかったような気がして。」
「ああ、あれは昔、陶芸家の人が住んでいた家に、なんか名古屋の方から若い人が来たって話だよ。一人で本を作ってるとか・・・」
「本を・・・作ってる?出版ってことですか?それとも手作りで装丁とか?」
「さぁなぁ。噂で聞いただけだから、詳しいことは分からないけど・・・」

「本を作っている」というのが、どういうことなのか判然としない。ZINEジンのような自主制作の冊子のようなものなのか、それともアーティスティックな装丁でもやっているのか、こんな田舎ではフリーの編集者とかってことはないだろう。
僕は無性にその「本」を見たくなった。田口の事故以来、自分から主体的に何かをしたくなったのは初めてだった。 ja tem generico do cialis

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そして、僕は今、スカイブルーのロードレーサーをゆるゆると漕ぎながら、山中の赤い屋根をめざしている。
アポイントもなしで。誰かが、何かが、僕を待っているわけでもないのに。
その山の更に奥に聳える山までは見えないように、視線を伏せながら。 generic vardenafil

「手 第3章」へ続く(10月中に公開予定)>>

昨年の6月下旬の朝、僕は高校時代からの親友であり山仲間である田口と、夜明け前に山小屋を出て、ヘッドライトの灯りで照らされた足元を確認しながら、濃紺の山の稜線りょうせんを黙々と歩いていた。
後ろを歩く田口と自分自身のふッふッと息を吐く音以外は、何も聞こえない静かな朝だった。
田口とは、普段もあまり多くの言葉を必要としなかった。
言葉を交わさなくても丸くあたたかな空気が二人の間にあって、沈黙を恐れる必要はない。そんな友だったのだ。

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そろそろ鳥の声が下から湧き上がるように聴こえてくる夜明け間際のことだった。
後ろで聞こえていた呼吸の音が一瞬途切れ、ザッという音が耳を打ち、反射的に後ろを振り返った。
田口の姿がないと思う間もなく、ザザザザザッと下方へと続く音の方へ目がいく。
田口は、荒れたガレ場の、さらに先の雪渓を滑り落ち、雪渓の縁に露出した大きな黒い岩にぶつかって止まった。
よく映画なんかでこういうシーンってスローモーションだったりするのだけれど、僕の目にも、本当にゆっくりとした動きに見えた。
そして、ゆっくりに見えるのに、僕はその場でただ固まっていた。田口の身体が止まってからも、しばらく動けなかった。声さえ出なかった。
昇ってきた太陽の光が、雲の間から一瞬僕の目を射た。
黒ずんだ雪渓の表面に一筋の真っ白な線が眩しく輝いて、その先に奇妙なくらい唐突に露出した岩は死出の門のようだった。

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灼熱の8月、盆に帰省した僕は、駅で田口の母親にばったり会った。救助隊とともに田口の遺体を山から下ろし、田口の両親の前に身を投げ出すように土下座した僕の肩をそっと抱きしめてくれた人だった。
「康太くん。帰省?」
「はい・・・あの、おばさん、明日、その・・・お参りに伺ってもいいですか?」
一瞬、間があいて、妙に明るい声で訊かれた。
「ね、康太くんに教えてほしいことがあるのよ。そこの喫茶店に寄る時間ある?」
「ええ。大丈夫ですが・・・」
田口の初盆だが、お参りに行くのは遠慮したほうが良いのだろうか。でも・・・
はぐらかされた返事をどう受け取ったら良いのか、逡巡しゅんじゅんしながら、冷房の効いた水槽のような喫茶店に入った。

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カラン・・・とストローでアイスコーヒーの氷を一回しして、田口の母親は言った。
「あのね、花の名前を教えてほしいのよ。」
「花?」
「そう、これ。」
スマホの画面をこちらに向けて、僕女はじっと僕の顔をみつめた。
「失礼します。」
スマホを受け取って、画面を見た途端、僕は固まってしまった。
傷だらけの血がにじむ手が画面いっぱいに映しだされていた。田口の手だと思った。あの時の。
あの時、手をじっくり見て覚えていたわけではない。というか、あの光る死出の道の先に横たわる田口の姿以外は、ぼんやりとした夢のように、よく覚えていない。
その半開きの指の間は深い緑に染まっていた。そして、白くやわらかそうな産毛に覆われた兎の耳のような数枚の包葉と、その付け根に淡い黄色の小さな花とも見えないくらい地味な花が付いた植物が挟まれていた。一番白い葉の縁にも赤い血が付いている。手の傷に滲む血は暗い褐色に近い赤なのに、その血は妙に鮮やかな赤だった。
「これは・・・ウスユキソウだと・・・思います。」
戸惑いながら答え、画面から目を離して、田口の母親の顔を見て、はっとした。
口元には微小を刻みながら、その目は、厳しい光を宿してじっと僕を見つめている。僕の奥深くを探るような目。
あの日、土下座した僕を僕の肩をそっと抱きしめてくれた人。
だが、いま、その人の目の中に僕は、あの黒々とした死出の門のような岩を見た。 cialis 5 mg ou 20mg

翌日、僕は田口の家の前まで行きながら、結局彼の家の門を潜ることはできなかった。

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そして、その日から僕は繰り返し死への道を歩む夢を見るようになった。
白く輝く道が一筋続いている。遠くにその白い道の輝きを反射して光る黒曜石の門があり、その門をめざして歩き続ける。
怖くはない。黙々とこころを空にして、ただひたすら門を潜ることを望んで歩き続けるのだが、門はなかなか近づいてこない。
やがてなかなか近づいてこないことへの焦燥感と、それでもいつかはあの門を潜ることができるのだという恍惚感とが湧き上がり、だんだん小走りになり、朝、目が覚めた時は体中がこわばって深い疲労を感じた。
そうして、現実の僕は、夢のなかでは行き着くことのできない死出の門へと、ゆっくりと近づいているようだった。

「手 第2章」へ続く>>

くちなし

朝からの梅雨の初めの雨が止み、湿気を含んだ青い薄闇がビルの谷間に溜まり始めた夕刻の街。
ふっと微かに甘い香りが、客先から帰る私の足を止めさせた。
隣のビルにもたれかかるように建っている、木の格子窓が今どき珍しい木造の小さな町家の軒先のわずかな植え込みに、白い花が一輪咲きかけていた。
くるくると紙を巻いて、わずかに緩めて開いたような白い花は、可憐な見た目よりも濃厚な重い香りで存在を主張していた。何という花だったか・・・

昔付き合っていた女に教えられたことがあったような気もするが、とっくに別れて花の名前も忘れた。何人かと付き合ったのちに、お互いに都合が良かったというような風で結婚した妻は、私が営む小さなコンサル会社の経理や企画書の清書といったような仕事を担当し、家庭でも栄養価をきちんと計算した食事を作ったり、生活感がまるで感じられないくらい隅々まで整理整頓したりといった、およそ実用的なことには長けていたが、花を飾るような情緒的な面はまったく持たぬ女であった。
私自身も情緒的な面を持ち合わせぬし、女だからといって情緒的な面を持たねばならぬとは思わないので、似合いの夫婦なんだろう。

そんな私が花の香りになぜ足を止めたのか・・・

ぼんやりと一輪の花を眺めて立っていると、ぽっと玄関先の灯りが灯った。
これも今どき見かけないような引き戸の細かく縦に仕切られた木枠に嵌められた梨地の型ガラスの奥に、人の動く気配を感じて、慌てて歩き出す。
ちょっと行ったところで振り向くと、丸い灯りの下、白いワンピースを着た女が、目鼻立ちははっきりとはしないが妙に白く浮き出たような顔をこちらに向けて立っていた。

翌日、昨日訪問した客先を今度は昼間に訪れる途中、あの白い花の咲く木造家屋の前を通りかかった。
昼間に見ると、白い花の丈の低い木には、グリーンのつぼみがいくつも螺旋を描いていた。ビルの谷間を縫って、スポットライトのように直射日光が細く輝く部分に、昨夜の一輪の花が眩しく輝いていた。夜ほどには香りは強くないように感じた。

さらに5日後の宵時、また、あの白い花の咲く家の前を通りかかった。
最寄り駅は同じだが、少し離れた別の客先を訪ねた帰りに、わざわざ回り道をしたのだった。
最初の青い宵闇の中で嗅いだ濃い花の香りが忘れられなかった。
碧い螺旋を描いていたつぼみも一斉に花開き、あの夕べの清楚なイメージとは異なり、宵闇の中でも華やかに咲き誇っていた。辺りは噎せ返るような濃い香りで満たされていた。 achat viagra en ligne belgique

存分に甘い香りを吸い込んで、ふっと視線を感じて横を向くと、引き戸から女が出てくるところだった。
あの夜と同じような白いストンと細いワンピースを着ているが、胸や腰の辺りは肉感的な身体の線を拾ってはりつめている。
最初の宵時には浮き出るように白く見えた肌は、今、近くで見ると、客先で自慢された中国の古い磁器のようなあたたかみのある白さだった。ワンピースから覗く手足も同じような白さなので、もともと色白なのだろう。
二重の大きな目の端とぷっくりとふくらんだ小さな唇にかすかな笑みを刻んでいるが、それは冷笑とも採れるような奇妙に冷たい笑みだった。

不審者と思われたのか。
ついドギマギとした気持ちに襲われて、マヌケな質問をしてしまっていた。
「こ、この花、なんて名前ですか。」
女は冷たい笑みをほぐすように、くすりと笑うと、
「くちなしよ。花が終わるとつぼみと同じような細長いカタチの赤い実がなるの。」
「そうですか。良い香りですね。実は食べられるんですか。」
「そのまま食べれやしないけど、栗きんとんなんかの黄色の色付けに使えるのよ。」
女も心なしか上ずったような声で答えた。 viagra cialis side effects

一瞬、二人の間に、わずかな沈黙の間ができた。

その沈黙を吹き消すように、女が語りかけてくる。
「あなた、少し前の夕方にもこのくちなしを見てたでしょう?
私、暗いところでも目が利くのよ。あの晩の人だってすぐわかったわ。」
心なしか、先ほどよりも語尾に甘い響きが宿っている。
急速に宵の闇は濃くなり、女の白さがますます際立っている。
「ね、この花の香りが好きなんでしょう。裏庭にはもっと大きなくちなしの木があるの。八重の大きな花で、香りもずっと良いのよ。よかったら見ていってよ。」
見ていってよという言葉の語尾には、明らかに媚る調子が混じっていた。
「でも・・・」
「いいのよ。ひとりで住んでるから気兼ねする人もいないし。」
こんな風に誘う女がまともとは思えない。
頭の奥で警告する声が聞こえる。
だが、くるりと私の腕に巻き付いた女の腕を、なぜか引き剥がすことができず、黙って女と家に入った。
背後であの宵と同じ、カラリと乾いた引き戸の音がした。

女の家はどこもかしこもくちなしの香りで満たされていた。
玄関のたたきの先にある襖を開けると、八畳ほどの畳の部屋の向こう、開け放されたガラス戸の先に、確かに大きなくちなしの木があった。
闇の中でも十分に華やかに花開いているのが分かる大きな花が、びっしりと咲いている。

「来て。もっと近くで見ましょう。」
囁くような声で女が誘う。その声にも、やわらかく私を拘束する腕にも、くちなしの香りが染み込んでいるように感じる。靴を脱いで上がり込み、ガラス戸の前まで進み、女に手を引かれて座り込み、ぼんやりと闇の中の花を見つめる。
肩に寄りかかるような重みを感じ、女の白い手が私の頬に手をかけようとしたその瞬間。
思いがけず、梅雨時の厚みのある雲が途切れて、月の光がその大きなくちなしの木を照らした。
闇の中では白く見えた大輪の花々は、月光のもと、黄ばんで端はよじれ、盛りを過ぎた醜態を晒していた。甘いと感じていた香りの中に、土の上に落ちて腐った果物が放つ腐臭が混じったように感じた。
顔を近づけてきた女の口から漏れた甘い吐息の中にも、饐えた腐臭を感じ、不意に吐き気に襲われ、逃げるように女の家から逃げ出した。

くちなしの家から逃げるように帰ってきた自宅のマンションの前で、はぁっと吐息を漏らして空を見上げた。清潔さと冷たさを感じさせる青白い外壁が月の光を弾いている。
その上階にある、妻がいつもミニマムに整えていてくれる我が家の窓に灯る明かりにほっとする。 revatio suspension package insert

「ただいま。」
小さなうしろめたさを感じて、妙に明るい声で帰宅の挨拶をしながら、白い扉を開けた。
白い鏡面仕上げの棚に、クリアなガラスの一輪挿しにくちなしの花が一輪。

ついぞ花など飾ったことのない妻が、何を想ってこの花を置いたのか・・・

鼻腔の奥にあの濃厚な香りが満ちてきて、激しく咳き込む私を、奥から出てきた妻が冷たく見つめている。

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錦湯

銭湯に入ることを覚えたのは、20代半ばに金沢に住んでからのことである。 meglio il viagra o cialis

私が育った地は、現代いまでは、山を切り崩して建てられた細々こまごまとした住宅と点々と無節操に立ち上がるマンションの間に、僅かな田畑が残り、その残った田畑でさえも休耕田が目につく典型的な地方のベッドタウンであるが、子供の頃は広々と田畑が広がる農業地域であったから、銭湯というものがなかった。

金沢では、小さな山の中腹に古い一軒家を借りて住んでいて、山を下ると昔は遊郭が立ち並んでいたというお茶屋街があった。その茶屋街の一角にある小さいが清潔な銭湯が、私のはじめての銭湯体験だった。
古い一軒家ゆえ、水廻りは近代的な設備に比べれば不便もあり、冬の風呂場の寒さは身に沁みる。寒い中、山をおりるのもおっくうなようであるが、それでも無性にこの銭湯に出かけたくなることがあった。夏は夏で、銭湯に入って、夕べの風に誘われて浅野川の川べりを散歩するのを楽しみに、ぶらぶらと山を下りていった。
北陸新幹線が開通して、この茶屋街も随分と賑やかな観光地となっているようだが、その頃は、観光客もさほど多くはなく、しっとりと落ち着きのある街の、夏の薄青い夕暮れの細い路地を歩いていると、ツトツン、ツト、ツン、と三味線の音色がどこからともなく聞こえてきたりした。
そんな場所の銭湯だからか、若干の皺こそあれど、若い頃はさぞかしきれいな芸妓だったのだろうと妄想してしまうような、真っ白ですべらかで触れてみたくなるようなきれいな肌のおばあさんがいたりした。脱衣場でご近所のおばさん、おばあさんが話をしていても、やわらかでのんびりした響きの金沢弁だからか、騒がしさを感じたことはない。時折、密やかな囁きがふんわり響く静かな銭湯だった。

金沢の次に移り住んだのは「せともの」の瀬戸市で、谷間を細く流れる瀬戸川に沿って小さな製陶所と家々が入り混じって立ち並ぶ。
金沢も瀬戸も有名なやきもの産地であるが、おもむきはずいぶんと異なる。九谷焼が有名な金沢のやきものは、茶事の盛んな土地柄や加賀100万石のプライドゆえか、芸術文化の色が濃いように思う。
まあ、型ものの大量生産品だって作っていたわけなので、逆に産業としての焼き物が衰退して、芸術文化としての焼き物が残ったということであるかもしれないが。
対して、瀬戸のやきものは、陶器の代名詞になるほど普及した大量生産品の流れからか、産業としての色が濃く、やきものづくりも分業制で、いわば、職人の町であったようだ。
古い時代を知る人から聴いた話では、給料日は月に2回あり、宵越しの金は持たんというような職人も多くいたらしい。
そんな職人たちが、陶土や釉の汚れを落としたり、窯焚きの煤や汗を流したりする銭湯があちこちにあったようだ。私が住んでいた頃は、いわゆる「せともの」づくりとしての陶磁器産業が、工場の大量生産品や中国の輸入陶器などの安物に押されて、すでに斜陽とも言える状態だったため、銭湯もずいぶん減ってしまったようだが、町の銭湯が数軒残っていて、私も近所の、それでもちょっと前にリニューアルしたという小さな銭湯に時折かりにいった。
小さいながらも電気風呂やら泡風呂、サウナもあって、週末は小さな子どもを連れた家族も多かった。おばあさん、その娘と思われるおばさん、そして幼い孫。顔つきも身体つきもそっくりな三世代の女たちが洗い場に並んでいるという微笑ましい光景もあって、にぎやかな銭湯も悪くなかった。

その後、実家に戻ってからは、銭湯に通うことも久しくなかったが、この間、平日一週間京都に滞在するという贅沢な旅時間を持つことができて、「住むように旅する」という旅の目的どおり、そのうちの3日ほどは町の銭湯に浸かることができた。特に気に入ったのは、夜遅くまで観光客で賑わう錦市場近く、四条の通りからほんの少し入ったところに、物珍しくも懐かしいような、昔ながらの銭湯で、男女別にわかれた入り口に掛けられた、紺の「男」と赤の「女」の暖簾のれんもキッパリと清々すがすがしい。
脱衣場の木製の棚には、常連さんの名入りの柳行李が並び、なんだか宮崎駿のアニメの世界に入り込んだようだった。浴室の入り口には黄色の定番のケロリンではなく、色柄様々なプラスティックの洗い桶が積まれていて、住むように旅するといったところで、こんな銭湯では明らかに余所者よそものな私が、洗い桶も常連さん用なのだろうかと思いあぐねていたら、風呂あがりのおしゃべりを楽しんでいたおばあさんたちが、「どれでも好きなのつこうてええよ」とはんなりした口調で教えてくれた。
時間が早いのか遅いのか、浴室は貸切状態で、数種の風呂をどれも試して堪能し、風呂あがりの脱衣場でぽーっとして、春のおだやかな夜風に吹かれて歩きながら、美味しそうな町家のレストランの灯りを眺めて、明日の夜はここで食事しようと目星をつけながら、宿に戻ってパタンと寝た。 buy sildenafil actavis 50mg

スーパー銭湯も楽しいものだけれど、土地の銭湯も巡ってみると、その土地の豊かな素顔を覗くことができて楽しい。

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寒風とともに入ってきた2人組は、店内を見回すと残念そうに肩をすくめて、また、冬の街へと戻っていった。
平日の夜8時。
どこにでもあるチェーンのカフェの店内は混んでいた。

コーヒー豆の収穫から焙煎までを描いた素朴なイラストが壁一面を飾っている店の奥では、コーヒーの淹れ方教室をやっているようで、黒いエプロンをしたスタッフが、小さなカップが並んだ大テーブルを囲む6人ほどの人々に手振り身振りでにこやかに話しかけている。
スーツ姿の男性が小さなカップの中身を飲み干して、何かスタッフに尋ねている。
その左の若い女性は小さなパールの粒の付いたベージュのネイルをきれいに施した両手で包み込むようにカップを持って、そっと香りを楽しんでいる。
その女性のさらに左側の遠慮がちに背を丸くしてテーブルの隅で、男性とスタッフの会話を聞きながら、神妙にふんふんとうなずいている。

カウンターで注文した商品が出てくるのを待っている男性は、襟を立てた革のブルゾンと同じような浅黒い肌に濃い眉毛。南米の顔だが、流暢な日本語でバリスタに話しかけて、弾けるような笑い声と一緒にカップを受け取ると、店の中央に並んだソファ席にいる若い学生らしき男性の元へ。日本人とおぼしき彼とは英語で会話をはじめた。時々、学生さんが「ah〜・・・」と行き詰まると、ニッコリ笑いながら、慌てないでというように、やさしくテーブルの端を押さえるようなしぐさをする。

一面のイラストが描かれている壁と向かい合う壁には小さな棚があり、ブラウンやゴールドのコーヒー豆の袋と、季節商品らしき桜色のカップやタンブラーが並んでいる。外は厳しい寒さだが、店内には一足早く春がやってきている。
若いカップルが桜色のタンブラーを手にとって、何か早口で相談している。良く聞くと中国語らしい。春節を利用して観光に来ているのかもしれない。おみやげだろうか。

そういえば、以前、同じチェーン店で隣に台湾人のツアーグループが座り、その中の一人の男性に、スイカ柄のタンブラーでカフェラテを飲んでいた私に、どこでそのタンブラーは手に入るのかとたどたどしい日本語で聞かれた。これは期間限定のもので今は手にはいらないのだと答えると、残念そうな表情で、台湾にいる友人たちに日本限定のタンブラーをお土産にするのだと話した。名古屋限定のタンブラーなら金のシャチホコがモチーフだから喜ばれるかもしれないと思い、タンブラーの棚に案内して教えると、とても喜んでいた。どうやら日本語が話せるのはそのおじさん一人らしく、私の言葉をグループのみんなに通訳しては、ちょっと得意げな顔をするのが微笑ましい。
最後には、今までに購入したタンブラーのおまけの無料クーポン券を、日本にいる間に飲みきれないからと、何枚もくれた。帰りのスーツケースにはぎっしりと色んなタンブラーが詰まっていたことだろう。 recreational use of viagra on the increase

入り口を挟んだガラス張りの壁は、半分がプライベート感があるソファ席。半分はカウンターとなっていて、カウンターにはパソコンや本を広げた人々が並んでいる。カウンターには親切にもコンセントもついていて、お店公認ともいえる学習スペースとなっている。学生らしき人も社会人らしき人も、黙々とパソコンや本に目を向けたまま、時々コーヒーカップに手を伸ばす。カップに口をつける時、少しだけ空気が緩む。そういう効果がコーヒーにはある。

カウンター席の人々が前のめりな姿勢であるのに対して、一人用のソファが並ぶもう半分のエリアの人々は深々とソファに背をあずけて、重心は後ろにある。
首だけを前に傾けてスマートフォンの画面を見つめている女の子のソファの肘掛けには、モコモコのファーコートが投げかけられている。小柄な子がそのコートを着たら、かわいいこぐまちゃんみたいになりそうだ。
隣に座るシルバーグレイの髪をきっちりとなでつけた男性は、肩に馴染んだスーツにウールのスカーフをふわりとかけていて、洒落たリーディンググラスを時折指先で抑えながら本を読んでいる。しかし、その手は厚みがあり、指先はぷっくりと丸く、なめし革のような皮膚の風合いは、長く手でものを作ってきた人のように見える。現場から叩き上げでのし上がり、今はデスクで部下に睨みを効かせている、そんな歴史を想像してしまう手だ。

そして、私は夜の街を眺めるふりをしながら、暗いガラスに映る店内をこっそりスケッチする。

 

カツン。
小さな音が丸い窓の外から聞こえたような気がした。
巨大な潜水艇の分厚い窓に何かが当たったとしても、音なんか聞こえるはずはないのだけれど。
丸い窓におでこを付けて覗きこむと、ただ海底の暗闇を鏡として、ぼんやりとした自分の顔が映っているだけで、泡とも塵ともつかぬ白い粒がゆっくりと流れていく。

地上と海上は「静かな戦闘サイレント バトル」と呼ばれる第3次世界大戦の負の遺産が支配している。

「ヒイ爺さんから聞いてた戦争と、実際の戦争は随分違ってたよ。」
地上生活の経験があるという大叔父が話していた。
「ヒイ爺さんの話では、戦争は空を飛ぶ戦闘機と地上を走る戦車から、爆音とともにミサイルがビュンビュン飛んでくるということだったが、「静かな戦闘サイレント バトル」では、遠い宇宙空間に浮かぶ各国の「ステーション」から、音もなく、青白い光線がヒトに向かって降ってきて、ジッという小さな音と一瞬の閃光と共に、あっと思うまもなくヒトが消えてしまう。問答無用の恐ろしい戦争だよ。」
大叔父が「静かな戦闘サイレント バトル」のことを語る時、指先が小さく震えていた。
「誰が光線を発射してるの?」
「ステーションにいる『解析者アナリスト』さ。ヒトの行動やつながりをして『敵対度エナミー レート』を計算するんだ。自国の解析者が認定したレートと、敵国の解析者が認定したレートは、もちろんまったく異なるレートになるが、それをさらに『国際連合ステーション』にいる『認定解析者』が解析して最終的なレートが決まる。ヒトの行動やつながりは日々変わるから、敵対度エナミー レートも日々刻々変動する。」
「まったく、頭のいい連中ってのは、昔っからろくなもんを作らないよ。」
大叔父の震える指先を、ふっくらとした両手で包みこむように握りながら、祖母が強い語調で言う。噂では祖母は伝説のレジスタンスと呼ばれたチームで、この巨大な潜水艇の設計を担当していたというが、ホントかどうかは知らない。
「そのうち、役に立つ人間かどうか、有用性もポイント化しろ、平等、公平、多様性、そういうのもポイント化しろってね。
で、結局、解析者たちが作った修正プログラムを起動させたら、なんと、ヒトというヒトを皆殺しにしはじめたのさ。」

「いっそ、美しい光景だったねぇ。」
「ああ、流星群みたいだったな。」
祖母と大叔父は、潜水艇の天窓を見上げて、少しばかりうっとりした表情を目に浮かべていた。
「りゅーせーぐん?」
「時々、浅い海に上がると、銀色の魚の大群がものすごい速さで泳いでいくだろう?銀色の線が何万と走っていくように、青い光の千が空から降ってくるのさ。」
「ふーん。」
ほんとのところ、空というものを知らない僕にはうまく想像できないのだけれど。

チッ・・・ジジッ・・・

また丸窓の外で音がした。
祖母も大叔父もハッと窓の外に視線を向けたから、気のせいじゃない。 aurochem viagra

丸窓の外の深海の闇の奥から、小さな青い光がゆらりと近づいてくる。
窓を覗きこむようにリュウグウノツカイのような細長い魚が近づいてきて、青い光を発しながらうねる背びれの先が窓にぶつかると、微かな音を発した。

「もしかして・・・」
祖母がその小さな魚を凝視しながら、つぶやく。

その魚の後方に広がる闇の奥から、無数の青い光が近づいてくるのが見える。
ふわふわ浮かぶ泡とも塵ともつかぬ白い粒も、青い光を反射して瞬いている。

「おばあちゃん、これがりゅーせーぐんってやつなの?きれいだけど、なんだか怖いよ。」

カツーン。
ひときわ高い音が響いて、丸窓に小さな砂粒のような傷がつくのが見えた。

「まずいよ。噂はホントだったんだ。宇宙からの光線のエネルギーを貯めこむことのできる魚がいるって。」
祖母の手も大叔父の手も大きく震えている。
「坊、上に行って、防御ネットを被せるように伝えるんだ!」
「うん、分かった!」

きれいに磨かれてはいるけど古びた階段を段飛ばしで駆け上がって、巨大な天窓を持つ最上部の中央司令室センターにたどり着いた時、青い光は数えきれないほどの数に増えていて、その圧倒的な美しさに麻痺したようになって、大叔父の司令を伝えることも忘れてしまいそうだった。

「ぼ、防御ネットだって!」 where to get viagra in houston

凍りついたように静止していた中央司令室センターの大人たちが、僕の声でキビキビと動き始め、潜水艇のあちこちにある小さな穴からゼリー状の細い糸のようなものが吐き出され、細かい網目となり、船を包み込み始めた。

「危なかったねぇ。まさか噂がほんとだったなんてね。」
「どのくらいの数がいるんだろう」
ゆっくりと階段を登ってきた祖母が、中央司令室センターの大人たちと青く光る魚について、興奮しながら話している。
僕は地下にいる大叔父が気になったけれど、天窓いっぱいに広がる青い光のショーから目を離せないでいた。小さいころ、ホロシネマで見たタイムマシンって乗り物が、こんな光のトンネルを抜けて、過去や未来、時間の流れの中を行き来していた。

もしかしたら、この青い魚は未来からの使者なんじゃない?
暗い暗い海底で息を潜めるようにして生きている時代が、もうすぐ終わるのだと伝えに来たのかもしれない。
丸い窓も大きな天窓も開け放して、空ってやつを眺めることのできる日がやってくるのかも!

よし、大叔父に僕の予測を言ってやろう。
そうすれば、手の震えも治まるさ!

青い光でほんのり薄明るくなった階段を、少年は軽やかに降りていく。

image

若葉色に染まった山の中。
くるりくるりと渦巻きになったワラビが、杉の若木の間にすっくすっくとたくさん伸びている。
小さな手でポキポキ折って、夢中になって山の斜面をどんどん上がっていく。
ふっと横切った影につられて空を見上げると、大きな鳶がゆっくりと円を描いていた。

早蕨さわらびのように幼い女の子。
我に返り、足を止めると、急な勾配こうばいの斜面のずいぶんな高さのある場所で、両親の姿も弟の姿も見えない。
「おとーさーん・・・おかあさーん・・・」
大声で呼んでみても返事はない。山の連なりにこだますることもなく、空に吸い込まれるように心細く呼び声は消えていく。

ソロリソロリと斜面を横歩き。滑りかけて杉の若木のあおい葉っぱに掴まったものの、頼りない若葉は枝を離れて女の子と一緒に斜面を滑り落ちた。

細い山道の曲がり角まで落ちて、途中にトゲトゲの茨の茂みやささくれだった切り株がなくて幸いだったけれど、肘をおおきく擦りむいた。
心細いのと痛いのと。
泣きたくなって、ひっとシャクリ上げた。涙と泣き声が出そうになったその時、 efectos secundarios de la cialis

ずぅーーーーーーん、ずぅーーーーーーん recommended dosage of cialis

遠くで山が鳴った。

ずぅーーーーーーん、ずぅーーーーーーん

近づいてくる。 cialis cost walgreens

ごぉーーーおぉーーーーごぉーーーーー

風があるわけでもないのに、空も低く唸りはじめ、びっくりして涙も声も止まった。

さぁっと陽が陰り、何か、大きな気配に包まれた。
見えないけれど、何か大きなものが、ここに在る。
目に見えないけれど、何かが満ちていると感じる。

ピリピリと腕の産毛が逆だっていくけれど、おばけが怖いのとはちょっとちがう感覚。
まだ学校で習っていないから言葉にはできないけれど、それは、畏怖いふというべきものだった。

ずぅーーーーーーん、ごぉーーーーー

大きなものに満ちた空気がかすかに震えながら、山を鳴らし、空を鳴らしている。 comprar vardenafil barato

じっと竦んでいた彼女の胸に、ふっと「おそなえ」という言葉が浮かんだ。
おばあちゃんが、神さまにお供えするといいことがあると言っていた。
そわそわと、黄色のパーカーのポケットを探る。さっき、吊り橋を渡ったところにある大きな岩にきれいな水晶の結晶がたくさんついていたのを見つけて、いくつか削って採ったのが入っている。
キラキラとした剣のような形の結晶を手のひらに乗せると、 free cialis coupon canada

「神さま、おそなえー!!!」 can u take 2 viagra pills

叫んで空に放った。

まわりの空気がぞわ~んと動いて、水晶のかけらが空に向かって上がっていく。
陽が差してきて、小さな粒はキラキラと輝きながら、空の高みへと昇っていく。
キラキラはあっというまに見えなくなり、そして、気がついたら、大きくて満ち足りたものの気配は消えていた。

「おーい、ひな子ー」
「おねーちゃーん。もう行くよー。」
「ひなちゃーん、どこにおるのー」

お父さんとお母さんと弟の声が曲道の奥から聞こえてきた。

家に帰って、ワラビの袋を広げたら、大きなタラの芽が4つ入ってた。

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フッフッと息があがる。
見上げると、繊細な切り絵のような冬の梢の向こうに山頂が見えた。
「あと少し・・・」
自分に言い聞かせるように、つぶやきながら、ジグザグに上がる山道の角を曲がる。 commercial actress viagra

地元の、登山というよりハイキングと言ったほうがよいくらいの低山。
標高500mにも満たないが、それでも、山頂の360度邪魔するもののない見晴らしの良さは十分な満足感を与えてくれる。

東に恵那山、西に伊吹山。
北には能郷白山、御岳、南アルプスの山々が並び、運が良ければ槍ヶ岳の尖った先端も見える。
南には犬山城、小牧城の先に名古屋のタワーズ、名古屋港の海に浮かぶタンカーも微かに見える。 viagra oil

休日に独りこの山を歩く時、日頃の運動不足にキレの悪いカラダの束縛を感じつつ、ココロは、山と自分の境界線が溶けていって、うんと遠いところまで拡散し、開放されていくのを感じている。

それにしても、今日は誰にも会わないな。
山頂の見晴らしの良さや、東西にいくつもの低山が連なりちょっとした縦走コースにもなることから、いつもなら小学生から昔取った杵柄のご老体まで、意外と多くの人に会うのだが。
今日は麓の神社の参拝客以外、まだ人影を見ていない。

足元で落ち葉がカサリカサリと小さく鳴り、乾いた土の香りがする。
どこかでフィー・・・フィー・・・と寂しい鳥が鳴いている。
乾いた土に落ちる冬の影は薄い。 viagra prices at sams club

歩きはじめには、独りの胸の中に色々な想念が駆け巡るが、山頂手前の急坂に差し掛かる頃には、からっぽになったこころに音と色と風が流れていく。 viagra blue big love

不意に陽が陰り、音も色も風もサッとスモークグレーの半透明な影に覆われ消える。 cialis dauertherapie kosten

「宇宙にひとり」

影の中に、脈絡もなく、言葉が立ち現れる。

いつか、友と独りを楽しむことについて話していた時だった。
「孤独であること」も楽しいのだということを理解してくれる人がなかなかいないのだと愚痴ったら、友がポツリと、そしてキッパリと言った。

「宇宙にひとり」 preise levitra 20mg

真に孤独を愛せる人がいるが目の前にいる。
自分が自分であることを、他人ヒト他人ヒトであることを、尊重できる人。

山道はさらに急になり、大きな岩の段差をぐいっと登る。
宇宙が近づく。
さぁ、この茂みを抜けたら山頂だ。

頂に出たその時、陽が雲を抜け、光に目が眩んだ。
いま、私は宇宙にひとり、在る。
高く青い空が、その孤独を証明してくれている。 componente generico del viagra

未明の街は、暗い家々に薄っすらと粉雪が積もり、たっぷりと粉砂糖をふりかけたガトーショコラみたいだ。 定刻を15分過ぎて駅を出た特急列車の車内は、通勤客がほとんどで、静寂の中、乗客のひそやかな息遣いが微かな空気のゆらぎとして感じられる。

8号車の2A。
最後尾車両の前の方の席で、自動ドアの上には、先頭車両に取り付けられたカメラの映像が映し出されるモニターが付いていて、線路が時に一直線に、時に緩やかなカーブを描き、周囲の景色が現れては消えていく。白い雪景色なので、カラーなのかモノクロなのか、判然としない。
ぼんやりとモニターを眺めていると、線路が長く一直線に延びる区間に差しかかった。線路のすぐ横を細い道が並行して延びている。道と線路の両側に広がるのは、四角いガトーショコラの畑。時折、ポツリポツリと建つケーキの飾りのような家がヒューンと飛んでいく。 viagra nausea

延々と変わらぬモノクロの景色。
ふと、線路と並行に延びる道の上を自転車が走ってくるのに気がついた。

白いレインコートが三角錐に広がり、風になびいている。その頂点に丸く空いた穴の奥の顔は暗く、小さなモニターの中では、黒い点にしか見えない。あっという間に近づいてきて、あっという間に画面の外へと消えていった。白い道路に黒い筋が残っている。 cialis daily dose fda

まだ薄暗い中、ライトも点けず、どこに行くのか。
滑らぬように注意深く自転車を操る緊張が、レインコートの三角錐の形に現れていた。
レインコートが風を切る音が聞こえたような気がして、ぶるっとカラダが震えた。 viagra precio chile

モニターから目を離し、窓の外、電車の後方、自転車が去っていった方向に目をやる。もちろん、とっくに自転車は見えなくなっている。

再びモニターに目を向けて、再びカラダがぶるっと震えた。 nitric oxide supplements and viagra

小さな白いゴマ粒のような点があっという間に近づいてきて、三角錐のレインコートと自転車になり、消えていく。うつむき加減の顔はやはり暗い穴のようにしか見えないが、強張った緊張感は、先ほどの自転車と全く同じだ。

じっとモニターを見つめる。
遠くにまた点が現れる。
近づいてくる。近づいてくる。

白い三角錐と黒い車輪。暗い穴が過ぎ去る。

じっとモニターを見つめる。
再び点が現れる。
近づいてきては、あっという間に過ぎ去る白い三角錐と黒い車輪。暗い穴。
繰り返しモニターの中を過ぎていく。

そういえば、この直線はこんなに長く続くのだったっけ? ranbaxy viagra in india

列車内に他の乗客のかすかな息遣いやみじろぎも感じられなくなっている。

モノクロのモニターと同じように、無機質な静寂の中。

それでも少しづつ夜は明けて、空の明るさは増している。

モニターの中で、何度も何度も通り過ぎていく自転車の上の暗い穴の奥の顔も、陽に照らせれるようになるのだろうか。

私はどこまでこの電車に乗っていくのだろう。
あの自転車はどこまで時を遡るのだろう。
何度、時は巡るのだろう。